7月, 2017年

訃報

2017-07-19

堀禎一が亡くなった。

「いつか忘れさられる」の撮影を手伝ってもらった。
撮影している家の前をずっと雪かきしてくれていた。
台所で細々した段取りしてくれていて、遠くから見て、
まるでこの家の主人みたいだなあと笑った。

「キスして。」のモチーフになった出来事は「笑い虫」の撮影後に起こった。
離婚後引っ越しするのに、足指を骨折した為重い荷物が運べず、手伝ってもらった。
車運転してもらって、助手席に私が乗っているのを映画関係者が見て、
掘組の撮影してるんだと勘違いされた事もあった。

「いつか忘れさられる」の試写の時。打ち上げの最後に酔っぱらって、
この35ミリの短編をなんで俺が撮れないんだと言っていた。

連休最後か連休明けの上映の日に、10年ぶりに「笑い虫」を観て、
劇場に毎日来ているらしい堀さんに声かけようと思ってた。

10年ぶりに観たけど、堀さんはいなかった。

最後に会ったのは病院だった。

あのぎょろっとした目が見開いていて、
ああ、もうこの人と軽口たたいたり出来ないんだなあと思った。

監督本人がいなくなっても、映画の上映は続きます。

ポレポレ東中野《堀禎一特集》は7月21日(金)まで、
新作『夏の娘たち~ひめごと~』は8月4日(金)まで 予定通り上映あるそうです。
出演作「笑い虫」は終わりましたが、「憐 Ren」は7/20(木)18:30より上映あります。

https://www.mmjp.or.jp/pole2/

「新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー inラピュタ阿佐ヶ谷
 ~21世紀ピンク映画デビューの監督たちを中心に~」
8.21[月]-25[金]
色情団地妻 ダブル失神(原題「笑い虫」)
2006年(H18)/国映、新東宝映画/カラー/64分
■監督:堀禎一/脚本:尾上史高・堀禎一/撮影:橋本彩子/照明:山本浩資/音楽:網元順也
■出演:葉月螢、牛嶋みさを、冴島奈緒、チョコボール向井、加藤靖久、安奈とも
元プロボクサーで取り立て屋をやっている夫とその妻、そして夫がプロレスラーの夫婦…。
生活苦と不倫のためにひび割れてゆく夫婦関係を2003年デビューの堀禎一監督が丁寧に描出。
もろくもしたたかな絆で結ばれた夫婦の姿を通して時代の混沌とした不気味さが浮き彫りになる。

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/shintoho-pink/#top

ここまで書いて、ああそうか、もう新作がないんだ、、、

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